琅琊榜

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第3話あたりの宗主と飛流が、『琛』『胡枝子』あたりを回想する形になってます。


 『蘇哥哥』が遊んでくれない。飛流としては、大いに不満である。
 不満ではあるが、我儘は言わない。
 複雑なことを考えるのは苦手な飛流だが、梅長蘇が悲壮な覚悟で金陵を目指したことはよくわかっていた。それゆえにこそ、飛流も梅長蘇についてきたのだ。ひとりでなど行かせられぬと思った。『蘇哥哥』を守ってやらなくては、と飛流は思ったのだ。
 『蘇哥哥』は弱い。いつもそばにいて守ってやらねば、忽ち壊れてしまいそうなほどに弱い。疲れたと言っては寝込み、寒いと言っては斃れる。丈夫な飛流には考えもつかぬほど、梅長蘇は弱かった。
 あの細い指が、かつては強弓を引いたのだと聞かされても、どうしてもぴんと来ない。梅長蘇の白い綺麗な手は、茶を淹れたり、花を愛でたり、そして飛流の髪を撫でたり、そう言ったことのためにだけあるように思えた。琅琊山で、廊州で、飛流は梅長蘇のそんな姿だけを見てきたのだ。ほっそりした姿、優しく優雅な手つき、透き通るような優しい微笑、全てを飛流は好きでたまらない。一日の中の、なるだけ長い時間を、梅長蘇のそばで過ごしたかった。


 あれは一体、何年前のことであったか。飛流は数えたこともない。
 遠い遠い日。
 昔のことは、よく思い出せない。思い出せるのは―――、身も心も襤褸襤褸だった、幼い飛流の眼に、初めて映った美しいもの。
 (『蘇哥哥』の、かお)
 あんな綺麗な微笑を、飛流は生まれて初めて見たのだ。
 そうして、飛流は泣いた。とうに涸れ果てていた涙が、あとからあとから溢れ出て、飛流は声を上げて泣いた。
 細い腕に抱きしめられたあの日から、梅長蘇は飛流のすべてとなったのだ。


   * * *


 日が翳って、黎綱が燭台に火をともして初めて、梅長蘇は書簡から顔を上げた。近ごろはついつい、時のたつのを忘れて調べものなどに没頭してしまう。何かしておらねば落ち着かぬとは、都へのぼってから流石に気持ちが張り詰めているのだと思う。
 「飛流はどうしている?」
 ふと気になって、そう尋ねた。そういえば昼間、飛流は自分を連れ出したがっていたが。
 「ああ。さっき、庭で人形遊びをしているのを見ましたが」
 梅長蘇は書簡を置いて、立ち上がった。庭へ出ようとするのを、黎綱がとどめる。
 「昼間に比べて風が冷たくなりました。飛流に御用なら、呼んでまいりますが」
 「いや。用があるわけではないが」
 引き締めたままだった口元を、梅長蘇はわずかに弛めたが、それとは裏腹にその表情は曇って見えた。
 「―――可哀想なことをしていると思ってな」
 「は?」
 黎綱が怪訝そうな顔をする。梅長蘇は苦笑した。
 「ついてくると言うから連れてきてしまったが、飛流にはさぞ窮屈であろうな、都の暮らしは」
 「それはまあ、確かに」
 それには黎綱もうなづく。
 「連れてはきたものの、大して構ってもやれぬ」
 そう言って少し目を伏せた梅長蘇に、黎綱は笑った。 
 「飛流はあれでなかなか……」
 「ん?」
 今度は梅長蘇のほうが少し訝し気な表情をした。
 「いえ、どうやらわきまえているようでして。宗主のお邪魔にならぬようにと」
 黎綱の言葉に、梅長蘇は二、三度睫毛をしばたかせた。
 「……そうだな。そして、わたしを守ろうとしている」
 武芸に秀でた飛流は、廊州にいる時からなんとはなしに梅長蘇の護衛を務めるようになった。それはどちらかといえば私的な部分においてであり、江湖に名の知れた江左の梅郎のことであれば、無論、いざという時のために、百戦錬磨の猛者たちが常に影の如く突き従って守ってはいる。だが、大袈裟なことを嫌う梅長蘇は、滅多に渠らを動かすことはしなかった。大抵の場合は飛流ひとりで事が足りたのである。
 決して命じられたわけではなかったが、飛流は梅長蘇を守ることを、自分の務めと決めているようだった。飛流のその覚悟は、ここ金陵へ来て、ますます強くなったようだ。
 「大きくなったものですね。我らが年を取るわけです」
 そう言った黎綱を、ちら、と梅長蘇が横目で見た。
 「何を年寄り臭いことを言っている。お前、確かわたしとそう変わるまい? こちらまで老け込んだ気になる」
 殊更にうんざりした様子でたしなめて見せたが、正直なところ、梅長蘇とて同じ思いではある。
 「確かに飛流は大きくなった。初めて会ったときには、まだまだ小さかったものを」
 梅長蘇は目を細めた。が、黎綱の方はげんなりとして言う。
 「はあ。小さいくせに、まるで子猿のようにすばしこくて、なまじ暗器の扱いなんぞ仕込まれていたものですから、物騒なことこのうえなく、大層迷惑いたしました」
 「しかたあるまい。あの子とて必死だったのだ。周りは皆、敵と感じていたのだろう」
 痩せて、目ばかりぎょろぎょろさせていた、汚い子供であった。
 攫われ、虐げられ、そして行き場を失った、可哀想な子供。
 人慣れぬ、獣の子のようだった。
 「しかし、宗主にだけはよく懐きましたね」
 「飛流には人を見る目があったということだ」
 梅長蘇は、そう軽口を叩いたが。
 あの頃は、自分とてつらかった。
 藺晨という支えがあったとはいえ、いまだ新しい身体にも馴染めず、梅長蘇は苛立ちを持て余していた。
 それが、みすぼらしい哀れな子供を見たとき、不意に思ったのだ。この子を守ってやりたいと。自分と、自分の宿願とで、いっぱいいっぱいだった心に、初めて温かいものが流れ込んだ気がした。
 発育が悪くて、年齢すらさだかでなかったその子供を、梅長蘇は抱き寄せた。
 愛しさが、身体の内から湧き上がってくるように思えたのだ。


   *


 「具合はどうなのだ」
 子供は、度々斃れた。
 藺晨が拾ったときは、疲れとひもじさで弱り切っていたが、それだけではない。邪悪な薬と心法で、子供は心を封じられ、武術のみを仕込まれていた。子供を保護しようとした藺晨に、ある老爺がそう教えてくれたそうだ。
 老爺はこうも言ったという。この子は元は秦州沿海の者であると。ようやくよちよち歩きであった頃に、倭寇に攫われ東瀛の地に連れてこられた。暗殺を生業とする組織で世間から隔絶されて育ち、その組織の壊滅と共に再び浮世に放り出された。老爺はその組織で下僕をしていた。
 『わしが育ててやるには、この子は物騒すぎるのでな』
 老爺はそう言ったそうだ。子供は獣同然だった。とても飼い慣らせるものではない、と老爺は首を振ったのだ。せいぜい時折り自分の食べ物の残りを投げ与えてやることくらいしか出来なかったという。
 子供が会得させられていたのは、武術というより、もっと後ろ暗い技の数々であった。無理矢理それらを叩き込まれた幼い身体は、とうに限界を越えていたのだ。

 「わたしに任せておけ」
 そうは言いながら、薬を抜き、術を解くのに、藺晨でさえ苦労していた。東瀛から海を渡って中原へ帰りつくまでにも、藺晨はさまざま試みたようだが、なにしろ子供自身が藺晨を信用せず、追い詰められた猫のごとく、常に毛を逆立てていたのである。治療は思うように進んではいなかった。幸い、梅長蘇にはよく懐き、言うことを聞く。近ごろになってようやく、藺晨も本腰を入れられるようになった。
 牀台の上で、獣のように丸くなって横たわっている子供に、梅長蘇は声をかけた。
 「―――飛流」
 「飛流だと?」
 藺晨が聞き咎める。
 「野良猫に、早速名をつけたのか」
 「わたしがつけたのではない。この子がそう名乗ったのだ」
 梅長蘇が言うと、藺晨は目を丸くした。
 「これは呆れた。こやつめお前には口をきくのか」
 子供は決して人前で言葉を発することはなく、ただ唸り声をあげては威嚇してばかりだ。大方、口もきけず、言葉もわからぬのだろうと、誰もがそう合点していた。
 しかし、梅長蘇は思ったのだ。
 (言葉を解さぬわけではない)
 梅長蘇自身が、少し前まで言葉を発することもできず、獣のごとき姿で生きていたのだ。話さぬからと言って、言葉を知らぬわけではなかった。
 梅長蘇は、子供の声なき声に耳を傾けたかった。自身が藺晨や黎綱らの手を借りながらやっと生きている有様ながら、梅長蘇は何くれとなく子供の面倒を見た。その思いは、やがて子供にも伝わったのだ。
 『そなた、名は?』
 そう問うた梅長蘇に、子供は昨夜、ようやく一言、
 『飛流』
と名乗ったのであった。
 「飛流か。悪くないな」
 藺晨が満足げな顔をする。
 梅長蘇が、乱れた髪をかきあげてやると、飛流はうっすら目を開けた。
 飛流の痩せた腕が、梅長蘇に向かって伸ばされる。梅長蘇が抱きしめてやると、飛流は苦痛にぶるぶる震えながら、しがみついてきた。
 「薬が抜けるまで、もう少しの辛抱だ。じきに楽になる。飛流は強い子ゆえ、頑張れるだろう?」
 荒い息をしながら、飛流はじっと梅長蘇を見つめ、それから浅くうなづいた。
 「大丈夫。わたしがついている」
 「おいおい。治療するのはわたしだ。勝手に調子のいいことを言うな」
 藺晨が横合いから茶々を入れる。
 「任せておけと言ったのはお前ではないか。大体、そんな大きな声を出すな。飛流が怯える」
 「怯えるだと? そんな殊勝なお子様か、この餓鬼が」
 だが、ほんとうは。飛流が怯え切っていることくらい、わからぬ藺晨ではあるまい。むしろ、わかっているからこそ、騒々しく喚き散らす。子供の気に障るようなことをして見せる。泣かせるよりは怒らせるほうが、藺晨にとっては気が楽で、飛流のためにもよいと思っているのだろう。
 藺晨に対しては、全幅の信頼を置いている長蘇である。
 この子は必ず元気になる。
 元気になったら、うんと甘えさせてやろう。そう思っていた。

 夜は、飛流を褥にまで引き入れた。
 「それではお前が眠れぬだろう」
 藺晨はそう案じたが、なんのことはない、幼な子の熱い肌は、長蘇の冷えた身体に心地よかった。互いに安心して一夜を過ごせたものだ。
 飛流はみるみる回復した。藺晨が熙日訣を修練させ、それによって飛流は自身で体内の毒を抑え込む術を会得したのだ。しかしながら、回復したのは身体ばかりであった。同じ年頃の子供に比べて、飛流は明らかに心智の発育が遅れている。言葉がたどたどしいのは長く東瀛にいたせいかと、初めのうちこそそう思ったが、すぐにどうやらそうではあるまいと知れた。
 言葉だけではないのだ。何を教えても、飛流は驚くほど物覚えが悪かった。落ち着きがなく、物事を深く考えることも出来ない。喜怒哀楽の表現もうまく出来なかった。飛流の頭と心の奥深くには、癒せぬ傷が残ったのだ。
 藺晨はわざと、飛流を怒らせるようなことばかりする。飛流の感情を引き出してやろうというのだろうが、その分、長蘇は飛流を喜ばせてやりたくて仕方がなかった。甘やかせ過ぎなのは承知していたが、つい猫可愛がりに可愛がってしまう。甄平などは呆れ果てて、飛流の顔さえ見れば眉をひそめて見せた。
 「宗主の前だと、当たり前の子供のような顔をしておりますね」
と、黎綱が言う。
 初めの頃に比べて、飛流の表情は随分生き生きしてきていた。長蘇が菓子を手からその口へと運んでやると、飛流はなんとも嬉しそうな顔をする。その顔が見たくて、ついつい長蘇は菓子を与えすぎ、藺晨からは度々苦言を食らっていた。
 「甘いものは頭の働きによいと言うではないか」
 そんな言い訳をしながら、その実、飛流の気を引きたいだけだと、長蘇自身もわかっている。飛流が自分に特別なついてくれていることが、長蘇は嬉しくて仕方がなかったのである。飛流にとって特別な存在でいられることは、長蘇の自尊心を大いに満足させた。
 藺晨が東瀛へ旅立ったあと、廊州に取り残された長蘇は、すっかり自信を失っていたのだ。江左盟はいまだ自分を宗主として受け入れてもおらぬ。それどころか、己の身体ひとつ、ろくに言うことをきかぬのである。
 藺晨と旅をしているいる間は、それをさほど苦痛には感じなかった。藺晨がいかに自分を気遣ってくれていたか、離れてみて初めてわかった長蘇である。そばにいた時には、まるでそんなふうには見えなかった。耳の痛いこともずけずけ言われたし、手荒な扱いも受けた。そのかわり、藺晨に対して余計な気兼ねをしたり、卑屈な気持ちにさせられたりすることは一度とてなかったのだ。
 藺晨がいない間、長蘇はそれを思い知らされた。この変わり果てた姿で、怨念に縛られ、そのくせひとりでは何一つ出来もせぬ。腹が立つやら情けないやらで、すっかり気落ちしていたのだ。
 飛流を世話し、飛流に頼られることで、長蘇はすこしずつ自分らしさを取り戻せる気がした。

 やがて。
 「蘇哥哥」と。
 初めて飛流は、そう呼んだ。



   * * *



『太皇太后』という人が、お菓子をくれると言ったのだ、蘇哥哥は。
 知らない人から食べ物を貰って食べぬようにと、飛流は日頃、梅長蘇から堅く戒められてた。それが今日は貰ってもよいと言う。よくはわからなかったが、その『太皇太后』というのはとても偉い人らしい。それゆえ飛流は、少しばかり楽しみにしていた。そんな偉い人が、どのような菓子をくれるのだろうかと。知らない人と話すのは得手ではなかったが、蘇哥哥が心を許している相手なら心配ないと、飛流も安心していたのだ。「天下一穏やかなお婆様だ」と蘇哥哥は幸せそうに、そしてどこか寂しげにほほ笑んだ。
 実際に会った『太皇太后』は。
 飛流は自分のことを莫迦だと思っていたが、太皇太后はもっと莫迦なのではないだろうかと呆れた。うんざりするくらい、景睿や豫津を相手に、同じ会話ばかり繰り返している。
 そのうえ、次はいよいよ自分に話しかけるのかと思っていたら、梅長蘇へと矛先が向いた。菓子も、蘇哥哥がもらったのだ。
 (なんだ、つまらない)
 がっかりした。

 そして。
 この日、雪蘆へ帰ってから、梅長蘇は物思いに沈み込んでいた。
 あの『太皇太后』とやらのせいなのか、あるいは蘇哥哥を連れ去ってしまった『郡主』、それとも帰り道に会った『蒙大哥』が原因なのか。飛流にとっては誰も彼もがまだよくわからぬ相手ばかりで、どこからどこまで蘇哥哥を守ればよいのか、気が気ではない。そうでなくても、金陵に来てからの梅長蘇は、すぐ近くにいてもひどく遠く感じられた。
 火鉢の傍にゆったりと腰かけて、梅長蘇は憂わしげに睫毛を伏せていた。ひどく疲れているのは、飛流にもわかる。けれども、声がかけられなかった。

 都になど、来たくはなかった。
 飛流は廊州の家を気に入っていたのだ。琅琊閣でも、廊州でも。梅長蘇はもっと、ゆったりと寛いだ顔をしていたではないか。
 金陵でも、蘇哥哥は綺麗に微笑ってはいるけれど、と飛流は思う。どこか張りつめたような、危うさがある。それが証拠に、夜になるとこうして疲れ果ててしまうのだ。
 (藺晨哥哥がいないから?)
 忌々しいが、そう考えたりもした。
 花を摘むことを、飛流に教えたのは藺晨だ。
 藺晨にからかわれ、追い回されるのがいやさに、飛流は琅琊閣へひきとられてすぐに軽功を覚えた。もともと武功の研ぎ澄まされた飛流には、軽功を使いこなせるようになるのはたやすかった。来る日も来る日も、藺晨と追いつ追われつの攻防が続いたものだが、そんな中で、藺晨は言ったのだ。
 「無駄に飛び回るなら、それ、そこの花を摘んでいけ。部屋に飾れば、長蘇が喜ぶぞ」
 花の名は、わからなかった。  
 けれど、いつだったか、長蘇に花を摘んで来いと言われたことがある。長蘇は、飛流に武器を持たせたがらなかった。懐に得物を隠し持つのが習慣になっていた飛流は、それらを全てとりあげられていた。飛流は初めて、剣ではなく花を手にし、長蘇は嬉しそうに目を細めたのだ。
 だから。
 「長蘇は部屋に閉じこもっていることが多いからな。これからは、お前が外の香りを運んでやれ」
 藺晨にそう言われて、飛流はたびたび花を摘むようになった。
 花を持ち帰るたび、長蘇は嬉しそうにほほ笑んで抱き寄せてくれたものだ。
 
 蘇哥哥が喜ぶことなら。
 なんでもしてやりたかった。

 ずっと。
 そう思ってきたのだ。
  
 知らない人の沢山いる都へなど、来たくはなかったが。
 自分で決めたのだ。
 金陵へ。
 蘇哥哥といっしょに、都へ上ると。
 
 難しいことはわからない。けれど、蘇哥哥の行く道が、つらく険しいことは飛流にもおぼろげに察せられた。
 蘇哥哥はひ弱だ。あまりにも弱い。それなのに、その厳しい道を行こうとしている。
 ならば、自分もついてゆくのだ。蘇哥哥を支え、蘇哥哥を守る。
 もっと、もっと、強くなりたかった。
 誰かを傷つけるためではなく。蘇哥哥を守るために。
 ほかの誰よりも、強くなりたかった。
 
 気づくと、梅長蘇はうとうとと眠り込んでいる。
 金陵へ来てまだいくらもたたないが、燭台の火に仄かに映し出された顔は、廊州にいたときより白くやつれている。
 つきん、と胸が痛んで、飛流は少し眉を寄せた。
 (蘇哥哥)

 どこまでも。
 ついていきたい。
 どんなときにもそばにいて。蘇哥哥を守るのだ。
 あの日。
 初めて出会ったあの日から、梅長蘇は飛流のすべてになったのだ。
 
 梅長蘇のほの白い顔は、あの頃と変わらず美しい。
 飛流は全身全霊をかけて祈る。
 ずっと。
 蘇哥哥のそばにいられますように、と。
 
 飛流は音をたてないようにそっと立ち上がると、梅長蘇のために毛毯を手に取ったのだった。

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