琅琊榜.風中の縁

砂の枷6 (『琅琊榜』『風中奇縁』)

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久々の藺循です。
『蒼き狼』とゴッチャになりそうですが(^^;;;


 琅琊山を降りる度、廊州を訪れるのが習慣になった。丁度、梅長蘇が廊州に住まっていた頃と同じように。
 かつて梅長蘇が暮らした邸に宿り、梅長蘇に瓜二つな男と閨を共にする。
 まるで、あの頃がそのまま戻って来たかのようだ。
 が。―――この男は、梅長蘇ではない。同じ顔をしていながら、面白いほど、違っていた。
 「閨の内まで、そんなものを持ち込むな」
 藺晨は眉を寄せて、すぐ隣にいる男を見る。
 うつ伏せになって読みふけっていた書物を、横合いからひょいとむしりとられて、莫循は寝そべっている藺晨を軽くにらんだ。
 「切りのよいところまで、読んでしまいたかったものを」
 読書のために莫循が枕元に寄せていた明かりを、藺晨はふっと一息で吹き消した。
 「もう幾度も読んだのだろう? 墨子よりわたしのほうが、様々なことを教えてやれると思うが?」
 そう言って唇を重ねようと顔を寄せた藺晨の顎を、莫循の手が押し返した。
 「待て。その角度では鼻が……」
 「鼻?」
 藺晨は一瞬、ぽかんと口を開いた。莫循は真面目な顔つきで思案している。
 「こう傾けたほうが……。いや、こうか」
 「ええい、鼻くらい多少ひしゃげようが構わん。こういうものは勢いだ」
 噛みつくように口づけると、莫循はしかたなさそうに従った。
 そういうところは、大人しい。が、大人しく見えて頑固である。長蘇とは、まるきり正反対だ。長蘇は小賢しく反抗的だったが、内面は柔軟で大雑把だったのだ。ひきかえ、莫循は一見従順なくせに、頑固で神経質な男である。
 諾諾と接吻を受け入れながら、莫循は考えているのだろう。どう口づけるのが、いちばん互いの鼻と鼻とをぶつけず、唇が重なりやすいかと。
 そんなつまらぬ計算など、頭から消し飛ぶほどに気持ちよくさせてやろうと、藺晨はむきになって深く舌を挿し入れる。上あごの奥を舌先でくすぐると、莫循は小さく甘い声を漏らした。その声に、藺晨のほうが平静でいられなくなる。
 腹が立つが、藺晨は既に莫循に夢中だった。
 すでに、長蘇と比べる気も失せた。そもそも、長蘇と莫循はまるで別の人間だ。たまたま天の悪戯で、同じ顔を持って生まれたに過ぎぬ。そして、たまたま。―――その同じ顔をした、まるで別のふたりを、藺晨は愛したのだ。
 舌と舌とが、淫らな音を立てて絡み合う。藺晨はゆっくりと、莫循の衿をひらいた。
 
 
   * 


 「藺晨……」
 朝の身支度にとりかかろうとする藺晨に、莫循が半身を起こして声をかけた。
 「いいから、そのまま寝ていろ」
 まぐわったあとの莫循は、朝がつらそうだ。
 「すまぬ。大したことではないのだ」
 そう言いながらも、莫循は素直に横になる。
 「嘘を言うな。わたしもお前も医術には明るい。誤魔化せるとでも?」
 莫循は、かつてその身にさまざまな毒を受け入れている。本人から詳しく聞いたわけではないが、毒に侵された痕跡を藺晨が見逃すはずがなかった。莫循は目を伏せる。
 「―――解毒が不充分だったのはわかっている。なにしろ、……急いていたゆえな、あの時は」
 淡く苦笑する莫循に、藺晨はため息をついた。
 「脚に毒が残ったのも、そのせいだな」
 お座成りな解毒で、次々に新たな毒を服用したのだろう。一見毒が抜けたようでも、足先へ澱のように溜まっていったのだ。
 「今更どうにもなるまい。だましだましやってゆくしか」
と。莫循は笑った。
 あれはいつであったか。
 『もうまるで使い物にはならぬのだ。いつか、切り落とすしかなくなるかもしれぬな・・・・・・』
 莫循はそう言った。その悲観的な言いように、一緒にいるだけで気の滅入るやつだと藺晨は思ったのだ。
 だが。
 (確かにこれは、まずいやもしれぬ)
 毒が溜まっているだけではない。その毒に侵されて血も滞り、このままでは足先から腐り果てていくに違いない。指から順に切り刻んで行くか、あるいは一思いに膝から落とすか。
 藺晨は憂鬱な気分になって、己の髪をかき乱した。
 「わたしに治療させろ。とりあえず阻まれた血くだをひらいてやらねばならぬ。毒がそれを妨げているなら、その毒を体の外へ出すまでだ」
 いともたやすそうに、藺晨は言った。それほど簡単でないことは、藺晨自身がよくわかってはいたが。
 莫循は微笑んだ。
 「気のすむようにしてくれ」
と。



   * * *




 「この薬も効かぬか」
 莫循の脚を検めていた藺晨が、ため息混じりに言った。
 「―――すまぬ」
 「お前が謝ることはない」
 肩をすぼめた莫循に、藺晨は苦笑した。
 「しかし、よくもまあ、これだけの種類の毒を飲んだものだ」
 莫循が書き記した毒の名の羅列を眺めて、藺晨は呆れた声を出した。毒を飲んでは解毒し、また毒を飲んでは解毒したのだと言う。人助けのために、あきれたものである。
 「ひとつひとつに、辛抱強く当たってゆくしかあるまいな」
 いくつめかの名を、墨で塗りつぶす。
 「次に可能性が高いのは……」
と、莫循が毒の名を挙げた。
 「ああ。その毒に関しても聞いたことがあるぞ。確かあの本に……」
と藺晨は眉を寄せたが、どうもはっきり思い出せぬ。
 「くそ、いま少しきちんと読んでおくのであった」
 当時は、火寒の毒に関する記述だけ拾って読んだせいで、あとの部分は記憶が曖昧だ。
 「慌てるな。その本の内容ならばわたしが丸覚えしている」
と、莫循が微笑したので、藺晨はまた少しあきれた。
 「お前という男は」
 莫循の読書量と薬の知識には、天才を自負する藺晨も舌を巻いている。
 「好。お前の知識とわたしの知恵があれば、もう治ったも同然ではないか」
 ぽんと膝を扇子で打つと、莫循が笑った。
 「気楽な男だな」
 「気楽で何が悪い。こういうことは、うじうじ悩んでいたところでしかたがない」
 よりよく生きるために医術はあるのだ。治療法をくよくよ思い煩うくらいなら、医術などないほうがましだ。
 「べつだんお前の脚が立たずとも困りはせぬが、切り落とさねばならなくなっては、抱いて寝たときにわたしの脚のやり場に困る」
 藺晨の言いぶんに、莫循が目を丸くする。
 「自分の都合か」
 「無論だとも。わたしはお前のように、他人のために骨折りする趣味はない。自分にとって心地よいことをするだけだ」
 得意げにそう言った藺晨に、莫循は可笑しそうに声を立てて笑った。
 



   * * *




 さらに半月ほどたった、ある日のことである。
 「お前。わたしの留守に何かしただろう」
 その日も莫循の脚を診ていた藺晨は、なんとも渋い表情を作った。 
 「何かとは?」
 涼しい貌で、莫循が逆に問い返す。藺晨はますます不機嫌になった。
 「とぼけるな。―――脚が、少しよくなっている」
 「よくなってきているなら、よいではないか。貴方の治療のおかげだろう」
 しゃあしゃあと言ってのけた莫循に、莫迦を言うな、と藺晨は語気を荒げた。
 「―――気を、巡らせたのか」
 藺晨がそう問うと、莫循はついと視線をそらせた。肯定、であろう。
 「……さしあたり、毒を散らす以外ないかと思ってな」
 莫循の物言いは相変わらず落ち着いて穏やかだが、この男なりに相当な覚悟が要ったはずだ。
 足先は、既に壊死しかかっていたのだ。凝り固まった毒で血くだが侵され、ほとんど血が通っていなかった。それゆえ藺晨は、薬で毒をほぐし、体外へ出すべく鍼を打った。幾度も試みたが、毒は思うように排出されず、治療は進まなかったのだ。
 外へ出せぬならば、全身へ散らせるしかない。幸い、莫循は内功の鍛練が出来ている。薬でほぐした毒を、気を巡らせることによって、脚から全身へと満遍なく散らせることは可能だろう。それは、藺晨とて考えなかったわけではないのだ。当面、莫循の脚を救うにはそれしかないとも思ってはいたが。
 「ひとつ間違えれば、命を落とす。脚がなくとも生きては行けるが、命がなくなればどうにもならん」
 藺晨は苦々しくそう言ったが、莫循は目を伏せ、淡い微笑を浮かべた。
 「そうなる前に、貴方がなんとかしてくれるだろう?」
 ―――こやつ。しおらしい顔をして、と藺晨は思う。
 (長蘇に似てきたのではないか)
 自分が大事にしすぎるせいだと、わかってはいる。この顔の男は、甘やかすとつけあがるらしい。
 確かに、莫循の脚にとっては、わずかだが時間稼ぎになった。
 これで脚を切り落とさねばならぬ事態は、いくらか先延ばしになったとも言えるが。
 「……まったく。脚を惜しんで命を落としたのでは、本末転倒も甚だしい」
 藺晨がそう言うと、莫循は少し小首を傾げた。
 「わたしは、どちらも惜しむつもりだが?」
 「―――随分、欲深になったものだな」
 ちょっと前までは、脚どころか命にすら執着のなかった男だ。
 「貴方の薫陶の賜物だ」
 そう言って笑う莫循の顔色は、しかしながら冴えない。
 (あたりまえだな。毒が全身に回っているのだから)
 今はまだ、全身へ巡った毒はわずかだが。こんなことを幾度も重ねれば、いずれどうなることか。莫循とて、それを知らぬはずがなかったが。


 数日たつと、案の定。
 「……また、気を巡らせたのか」
 藺晨は頭を抱える羽目になった。
 「放っておくと、脚に残った毒がまた足先で凝ってしまうゆえ」
 しれっとした様子で莫循は笑ったが、その微笑はますます弱々しくなっていた。今度は、かなりの毒が身体に回ったようだ。
 「もう、これきりにしておけ」
 「―――わかっている」
 そう言って、莫循は自分の脚をさすった。
 本当に、わかっているのか、と藺晨は思う。
 が、莫循は満足そうに脚を撫でて言ったのだ。
 「……貴方が惜しんでくれた脚だからな。そう簡単に、失うわけにはゆかぬ」
 莫循のつぶやいた言葉に、藺晨は目を瞠った。




   * * *




 「ああ。来てくれたか」
 乳鉢で薬をすり合わせながら、振り返りもせずに藺晨は言った。
 むすっとして背後に立った晏太夫は、髯をしごきながら不機嫌な声を出す。
 「都合のいいときだけ呼び出しおって」
 ふ、と笑って、藺晨はようやく後ろへ顔を向ける。
 「困ったときの晏太夫頼みでな」
 こんな時に父がいれば助かるのだが、と藺晨は思う。父に頼るのは業腹だが、確かに当代一の医術の腕を持ってはいる。その父の行方が知れぬとなれば、やはり頼りになるのは晏太夫だ。
 ふん、と晏太夫は鼻を鳴らした。
 「あの男のことだな。梅長蘇そっくりの」
 「ああ」
と、藺晨は答えた。他人のことには興味がなさそうな顔をしていながら、晏太夫はなかなか人情の機微に敏いのだ。

 莫循の容体が、よくない。
 胃の腑や肺の臓も毒に侵され、食は細り、日に幾度も血を吐く。このままでは、身体が弱る一方だ。
 長蘇を失ったときのことを思うと、藺晨はとても平静でおれぬ。

 『……貴方が惜しんでくれた脚だからな。失うわけにはゆかぬ』
 
 莫循はそう言った。
 『切り落とさねばならなくなっては、抱いて寝たときにわたしの脚のやり場に困る』
と、軽口を叩いたのは藺晨だ。言葉の裏で、莫循の脚を残してやりたいと真摯に願った、その気持ちを、莫循は汲んだのだ。 
 ならば。
 責任をもたねばならぬ、と藺晨は思う。なんとしても、莫循を救いたかった。 

 「解毒薬か」
と晏太夫が問うた。藺晨は、うなづく。
 「ほぼ出来ている。あとは、この薬草を加えれば完成だが」
 藺晨は根ごと採取してきた薬草を、手に取った。
 「どうした」
 晏太夫の問いに、藺晨は少し眉を寄せた。
 「苦労して手に入れた薬草だが、これについての記述があまりに少ない」
 藺晨の後ろには膨大な量の古書が積み上げられているが、これでも藺晨が目を通したもののほんの一部だ。このところ、琅琊閣と往復しては古い文献を片端から当たったのだ。
 「用法はわかるが、……用量がわからぬ」
 「―――ふむ」
 晏太夫の手が、また髯をしごく。
 「そこで晏太夫。頼みがあるのだ」
 渠らしくもなく真摯な口調で、藺晨は言ったのだった。




   * * *




 薄皮をはぐように、とはこのことであった。
 莫循の身体は、日を追うごとによくなった。
 「お薬が効いて、誠にようございましたね」
 そばでいそいそと世話を焼きながら、黎綱が嬉しそうに言った。
 起き上がって薬湯を飲んでいた莫循がうなづく。
 「さすがは藺晨だな」
 そう言って微笑むと、「はあ」と黎綱は曖昧な声を返してきた。莫循は、黎綱の顔をちらりと盗み見る。
 「―――それで、その藺晨は、いつになったら姿を見せるのだ?」
 この薬を作るため、薬草を集めるのに東奔西走していたことまでは莫循も知っている。ようやく出来上がった薬を晏太夫に託し、自分は急ぎの案件のため、琅琊閣へ帰ったのだと聞かされていた。
 が、十日たっても藺晨は戻らない。
 薬の効き目を、自分の目で確かめに来ぬはずはないのだが。
 薬湯の入っていた椀を盆に戻すと、黎綱はそそくさと下がろうとする。  
 「―――黎綱」
 莫循は低く呼び止めた。
 「そなた。―――何か、隠しているだろう」
 今まさに、部屋を出ていこうとしていた黎綱の背中が、固まる。
 「黎綱」
 重ねて呼ぶと、黎綱はしかたなく振り返り、しぶしぶ座りなおしたのだった。


   *


 「やつはどうしている? 順調に回復しているのか」
 藺晨は、やってきた黎綱にそう問いかけた。
 莫循のすむ邸からほど近い、小ぢんまりとした邸宅である。ここもまた、江左盟の持ち物であった。
 「はい。すっかりお元気になられて、その……、閣主のご心配を……」
 「せめて文でも書いてやれれば、安心させてやれるのだろうが、この体たらくではな」
 そう言って少し笑ってから、藺晨は眉をひそめた。気配を殺してはいるが、黎綱のほかにいまひとり。それに気づかぬ晨ではない。
 「黎綱、お前。―――誰を伴ってきた」
 黎綱の背後に感じた気配の主の正体を、藺晨は察せずにはいなかった。
 こと、と微かに堅い木が床を打つ音がする。
 松葉杖、である。
 「莫循―――」
 そう呼び掛けた途端、がたんと松葉杖が投げ出される。次の刹那、藺晨は胸に莫循の重みを受け止めていた。
 「藺晨。貴方はなんということを―――」
 莫循の両腕が、褥の上で上半身を起こしていた藺晨の、背中へと回される。
 藺晨は苦笑した。
 「―――わたしの薬は、効果覿面であったろう?」
 そう訊くと、莫循は腕にすこし力を込めた。
 「その薬のために、貴方は……」
 莫循の薬を調合するために、藺晨は己の身体を使ったのだ。初めての薬草を試すには、莫循の身体は弱りすぎていた。大きな副作用があれば、ひとたまりもあるまいと思われたのだ。事実、藺晨ですら、このありさまである。
 「少しお前の真似をしてみただけのことだ。なに、じきに快復する。晏太夫もそうは言わなかったか?」
 藺晨がそう問うと、肩に押し付けられた莫循の頭がこくこくとうなづく。莫循が晏太夫を問い質したことは、想像に難くなかった。
 「―――そう聞いた。聞きはしたが、万一のことがあったら、どうするつもりだった」
 「命を落とすような、へまをすると思うか。このわたしが」
 藺晨は、くす、と笑ったが。
 「……命は落とさずとも、そのように……」
 莫循の指先が、自分の瞼に触れるのを藺晨は感じた。
 「藺晨。まことに、―――わたしが見えぬのか」
 莫循の指先に瞼をなぞられ、心地よさに藺晨は目を細めた。
 「一時的な副作用だ」
 ひどい貧血に加えて、藺晨はいま、視力を失っていた。
 「―――もし、治らなかったら」
 不安げに、莫循がそう言った。
 「そのときは、お前の厄介になろうか」
 莫循の顔に、藺晨は手をやった。莫循の眉間に、皺が刻まれているのがわかる。さぞ、切なげな顔をしていることだろう。
 「目が見えぬくらい、さほどに困りはせぬが、お前の顔が見られぬのは痛いな」
 なにしろ、長蘇・莫循と、長年愛おしんできた顔である。この先見られぬのは困る、と藺晨は思った。
 「藺晨―――」
 小さなため息のあと、莫循は微かに笑ったようだった。
 「今度は、わたしが治してやる」
 自分自身を励ますようにそう言った莫循に、藺晨も微笑み返す。
 「それは頼もしいな」

 「―――これは、その約束のしるしだ」
 瞼に、柔らかな唇の感触が押し当てられた。
 「おい。そんなことをされたら―――」

 藺晨は莫循の両肩を掴むと、莫循に接吻する。少々唇の位置を誤ったが、すぐに探し当てて深く口づけた。さすがに、莫循も今日は、鼻がどうの角度がどうのと、文句を唱える気はないらしい。
 藺晨は黎綱の居るほうへ向かって、 ひらひらと手を振って見せた。 そそくさと、 気配がひとつ消える。
 莫循の顔を両手で包んで、いつもより念入りに口づけたあと、藺晨はゆっくりと莫循の身体を引き寄せ、褥の上に倒した。
 その胸元へ手を差し入れようとすると。
 「―――身体に障るぞ」
 そう戒められる。
 藺晨は笑った。
 「辛抱する方が、身体に悪い」
 少し頭に血がのぼったほうが、回復が早い気がした。もともと、血の気は多いほうだ。昂ぶれば、貧血くらいすぐ治りそうに思える。

 「お前こそ病み上がりの身だが、大事なかろうな?」
 「―――構わぬ。二人揃って起き上がれなくなったとて、晏太夫が診てくださろう」
 莫循が生真面目な声でそう答えたので、藺晨は小さく吹き出した。

 「晏太夫も気の毒に」

 笑いながら、藺晨は莫循の胸元へと顔を埋めたのだった。
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~ Comment ~

わが愛しの夫

あああああああ、夫の出番がようやく・・・(むせび泣き)
LOVE! 晏大夫!!

>>Rintzuさん

都合のいいときだけこき使われておられますw

(笑)

結局、頼まれれば嫌と言えない、そんなお人好しなところもLOVE~!!

>>Rintzuさま

いい人だなあ(笑)

黎鋼さんがいなくなった・・・

黎鋼、もう少し早く、逃げ出したほうが良かったのでは(笑)
あ、硬直して、動けなかったのかな?(怖いもの見たさ?)

>>Rintzuさん

はいw
葛さんたちのご指摘を受けるまで、黎綱さんの存在忘れてましたw
慌てて藺晨に追い払わせたけど、遅いですねww
逃げるタイミング失ってましたかねwww
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